

看護助手(ナースエイド)とは?給料の相場や准看護師との違い、仕事内容について解説。
2025/08/01
病院で白衣を着て働く人といえば、医師や看護師をイメージする方が多いでしょう。でも実は、もう一つ重要な職種があります。それが「看護助手(ナースエイド)」。看護師のサポート役として、患者さんの身の回りのお世話や病院の環境整備を担当する、まさに医療現場の縁の下の力持ちです。
「医療の仕事に興味があるけど、看護師の資格を取るのは大変そう…」そんな方にとって、看護助手は医療現場で働く第一歩として注目されています。実際、資格なしで始められる医療職として、多くの人が看護助手からキャリアをスタートさせています。
この記事では、看護助手の具体的な仕事内容から、気になる給料事情、准看護師や介護職との違いまで、詳しく解説していきます。将来性についても触れていきますので、医療・福祉業界で働きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
看護助手(ナースエイド)の仕事は?
病院やクリニックで働く看護助手は、どんな仕事をしているのでしょうか。「看護補助者」とも呼ばれるこの職種は、名前の通り看護師の業務をサポートする役割を担っています。医療行為はできませんが、患者さんが快適に過ごせるよう、さまざまな面で支えています。
看護師さんの右腕として働く、縁の下の力持ち
看護助手の主な仕事は、看護師が本来の医療業務に専念できるよう、周辺業務を引き受けることです。例えば、患者さんの検査室への移送、書類の整理、医療器具の洗浄・消毒など、看護師資格がなくてもできる業務を担当します。
病棟では、患者さんの食事の配膳や下膳、ベッドメイキング、病室の清掃なども行います。看護師が処置をする際には、患者さんの体を支えたり、必要な物品を準備したりと、チーム医療の一員として活躍しています。
「看護助手がいないと仕事が回らない」という看護師の声も多く、まさに医療現場になくてはならない存在といえるでしょう。
資格なしでも始められる医療のお仕事
看護助手の大きな特徴は、特別な資格がなくても働けることです。看護師や准看護師のような国家資格は必要ありません。やる気と人を支えたいという気持ちがあれば、誰でもチャレンジできる職種です。
実際の求人を見ても「未経験OK」「無資格可」という募集が多く、医療現場で働きたい人にとっては入りやすい職種といえます。入職後は先輩スタッフや看護師から指導を受けながら、徐々に仕事を覚えていくのが一般的です。
もちろん、医療や介護の基礎知識があれば仕事はスムーズに進みます。そのため、働きながら関連資格の取得を目指す人も少なくありません。
気になる看護助手の給料事情!平均年収から地域差まで
医療現場で働く看護助手ですが、実際のところ給料はどのくらいなのでしょうか。全国平均から地域差、働き方による収入の違いまで、詳しく見ていきましょう。
全国平均は約318万円。でも地域によって異なる
厚生労働省の最新データによると、看護助手の平均年収は約318万円です。月収にすると約22万円、年間賞与は約51万円という計算になります。
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
ただし、地域によって大きな差があるのも事実です。東京都では平均年収が約400万円に達する一方、九州・沖縄地方では250万円前後と、150万円もの開きがあります。都市部ほど給料が高い傾向にありますが、最近では地方でも処遇改善が進み、全国的に給与水準は上昇傾向にあります。
また、勤務先の規模によっても差があり、大規模病院のほうが小規模クリニックよりも給料が高めに設定されていることが多いようです。
夜勤あり・なしで手取りはどう変わる?
看護助手の給料を大きく左右するのが、夜勤の有無です。日勤のみの場合、手取りは12~15万円程度が一般的ですが、夜勤をすると16~20万円程度まで増えることがあります。
夜勤手当は1回あたり3,000円~6,000円程度が相場で、月に4~5回夜勤をすれば、それだけで1~3万円の収入アップが見込めます。体力的には大変ですが、収入を増やしたい人にとって夜勤は重要な選択肢となっています。
ただし、すべての看護助手が夜勤をするわけではありません。外来やクリニック勤務の場合は日勤のみが基本で、病棟勤務でも希望によって日勤専従という働き方も可能です。
パート・正社員・派遣、働き方別の収入比較
看護助手の働き方は多様で、それぞれ特徴があります。正社員は月給制で働くため収入が安定し、年収は全体平均の約318万円を上回ることが多く、賞与や各種手当、社会保険などの福利厚生も充実しています。長期的なキャリアを考える人に向いている働き方です。
パート・アルバイトの場合、時給は地域の最低賃金を上回る水準で設定されることが多く、勤務時間を自分で調整できるため、家事や育児と両立したい人、短時間だけ働きたい人に人気があります。一方、派遣社員はパート・アルバイトよりも時給が高めに設定される傾向があり、短期間でしっかり稼ぎたい人に向いています。
それぞれにメリット・デメリットがあり、正社員は雇用の安定性と高い年収が魅力ですが、パートは時間の融通が利き、派遣は時給が高いという特徴があります。自分のライフスタイルや将来設計に合わせて選べるのも、看護助手という仕事の魅力かもしれません。
看護助手の1日とは?リアルな仕事内容を紹介
看護助手の仕事内容は多岐にわたりますが、大きく分けて「直接ケア」と「周辺業務」の2つがあります。それぞれどんな仕事なのか、具体的に見ていきましょう。
患者さんの生活を支える「直接ケア」のお仕事
直接ケアとは、患者さんと直接関わる業務のことです。食事の配膳や食事介助、車椅子での移動介助、トイレへの付き添いなど、患者さんの日常生活をサポートします。
例えば、自力で食事ができない患者さんには、スプーンで口元まで運んだり、飲み物を飲みやすい角度で支えたりします。入浴介助では、着替えの手伝いや洗髪のサポートを行うこともあります。
また、ベッドで過ごす時間が長い患者さんには、床ずれ防止のため定期的に体の向きを変える「体位交換」も重要な仕事です。看護師と協力しながら、患者さんが快適に過ごせるよう配慮します。
病院をきれいに保つ「周辺業務」も大切な役割
周辺業務は、病院の環境を整える仕事です。ベッドメイキング、病室の清掃、医療器具の洗浄・消毒、備品の補充など、一見地味に見えるかもしれませんが、院内感染を防ぐためにも欠かせない業務です。
検体を検査室に運んだり、カルテを整理したり、薬剤部から薬を受け取ってきたりと、院内のさまざまな部署をつなぐ役割も担います。ナースステーションの整理整頓、患者さんの私物管理なども看護助手の仕事です。
これらの業務があるからこそ、看護師は医療行為に集中でき、病院全体がスムーズに機能しているといえるでしょう。
やってはいけない医療行為の境界線とは?
看護助手として働く上で最も重要なのが、医療行為との境界線を理解することです。採血、注射、点滴、投薬など、これらの医療行為は看護師資格が必要な専門業務であり、無資格の看護助手は一切行うことができません。
例えば、患者さんから「薬を飲ませて」と頼まれても、看護助手が勝手に判断して薬を渡すことはできません。投薬は看護師資格を持つ者だけが行える医療行為なので、必ず看護師に確認し、指示を仰ぐ必要があります。
血圧測定や体温測定も、病院によっては看護師のみが行う場合があります。これらは医療行為とグレーゾーンにあたるため、施設ごとにルールが異なります。入職時にしっかりと確認することが大切です。看護師資格が必要な業務と、看護助手ができる補助業務の境界線を守ることは、患者さんの安全を守ることにつながります。
看護助手と准看護師、何が違うの?資格・給料・仕事内容を比較
医療現場では「看護助手」「准看護師」「看護師」という3つの職種が協力して働いています。名前は似ていますが、それぞれ役割は大きく異なります。特に混同されやすい看護助手と准看護師の違いを詳しく見ていきましょう。
資格の有無だけじゃない!責任と業務範囲の大きな違い
最も大きな違いは資格の有無です。准看護師は都道府県知事が発行する免許が必要で、養成所で2年間学び、試験に合格しなければなりません。一方、看護助手は無資格で働ける職種です。
この資格の違いが、業務範囲に直結します。准看護師は医師や看護師の指示のもと、注射や点滴、投薬などの医療行為を行えます。患者さんの状態観察や記録も重要な仕事です。
看護助手は医療行為ができないため、あくまで補助的な業務に限定されます。責任の重さも異なり、准看護師は医療従事者として患者さんの命に関わる判断を求められる場面もあります。
年収差は約100万円!待遇面での違いを知っておこう
給料面でも大きな差があります。准看護師の平均年収は約407万円で、看護助手より約90万円も高い水準です。基本給の違いに加え、資格手当や夜勤手当の金額も異なります。
雇用形態にも違いがあり、准看護師は正職員として採用されることがほとんどです。賞与や退職金、福利厚生も充実しています。看護助手は非正規雇用も多く、待遇面での差は明らかです。
ただし、准看護師になるには時間とお金をかけて資格を取る必要があります。その投資に見合うだけの待遇差があるということでもあります。
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
看護助手から准看護師へのステップアップは可能?
看護助手として経験を積んだ後、准看護師を目指す人は少なくありません。実際、多くの准看護師養成所では、働きながら通える定時制課程を設けています。
看護助手として現場経験があることは、大きなアドバンテージになります。患者さんとの接し方や病院の仕組みを理解しているため、学習もスムーズに進むことが多いようです。
病院によっては、准看護師資格取得を支援する制度を設けているところもあります。学費の補助や勤務時間の調整など、キャリアアップを応援してくれる職場を選ぶことも大切です。
介護職との違いは?働く場所と仕事内容で見る看護助手の特徴
看護助手と介護職は、どちらも人の生活を支える仕事ですが、働く場所や役割には違いがあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った職種を選ぶことが大切です。
病院で働くか、施設で働くか。それぞれのメリット
最大の違いは働く場所です。看護助手は主に病院やクリニックなどの医療機関で働きます。一方、介護職は特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、福祉施設が主な職場です。
病院で働く看護助手のメリットは、医師や看護師がすぐそばにいることです。患者さんの急変時もすぐに対応でき、医療チームの一員として働くやりがいがあります。
介護施設で働く介護職は、利用者さんとじっくり向き合える環境があります。長期的な関わりの中で、その人らしい生活を支援できることが魅力です。どちらも人を支える仕事ですが、アプローチの仕方が異なります。
意外と知らない給料の違い。どっちが高い?
給料面では意外な結果が出ています。介護職の平均年収は約376万円で、看護助手よりも約60万円高い水準です。これは近年の介護職員処遇改善加算などの政策効果によるものです。
ただし、これは平均値の話で、実際には勤務先や地域、資格の有無によって大きく変わります。介護福祉士の資格を持つ介護職員は、さらに高い給料が期待できます。
看護助手も処遇改善の動きはありますが、介護職ほど急速ではありません。給料だけで選ぶのではなく、仕事内容や働く環境も含めて総合的に判断することが大切です。
看護助手になるために必要な資格や条件はある?
看護助手を目指す人にとって、どんな資格や条件が必要なのか気になるところです。結論から言えば、特別な資格は必要ありませんが、持っていると有利になる資格はあります。
無資格・未経験でもOK!でも持っていると有利な資格
看護助手は無資格・未経験でも始められる職種です。多くの求人で「未経験歓迎」「無資格OK」と記載されており、やる気さえあれば誰でもチャレンジできます。
ただし、持っていると有利な資格もあります。介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)は、基本的な介護技術を学べる資格で、多くの看護助手が取得しています。
メディカルケアワーカー®という民間資格もあり、看護助手業務に特化した知識・技術を証明できます。これらの資格があれば、採用時のアピールポイントになりますし、資格手当がつく職場もあります。
看護助手認定実務者試験って受けるべき?
看護助手認定実務者試験は、全国医療福祉教育協会が実施する民間試験です。合格率は60~80%と比較的高く、しっかり勉強すれば合格は難しくありません。
この資格のメリットは、看護助手として必要な知識・技術を体系的に学べることです。医療や看護の基礎知識、患者さんへの接し方、感染予防など、実務に直結する内容が含まれています。
必須ではありませんが、未経験から看護助手を目指す人や、スキルアップを図りたい人にはおすすめです。通信講座で学べるため、働きながらでも取得を目指せます。
看護助手の将来性は明るい!需要が高まる理由と今後の展望
超高齢化社会を迎えた日本では、医療・介護人材の不足が深刻化しています。その中で看護助手の需要は年々高まっており、将来性のある職種として注目されています。
有効求人倍率は約4倍と、1人の求職者に対して約4件の求人がある売り手市場です。病院からは「看護助手が足りない」という声が多く聞かれ、人材確保が急務となっています。
国も看護補助者の処遇改善に動き出しており、2022年には診療報酬に「看護補助者処遇改善加算」が新設されました。これにより、看護助手の給料アップを図る病院が増えています。
また、医師や看護師の働き方改革により、看護師業務の一部を看護助手に移管する「タスク・シフト」も進んでいます。今後ますます看護助手の役割は重要になっていくでしょう。
キャリアパスも明確で、看護助手から准看護師、そして看護師へとステップアップする道もあります。医療現場で働きたい人にとって、看護助手は魅力的な選択肢といえるのではないでしょうか。
出典:厚生労働省「職業情報提供サイト」
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